かりん先生のドックトレーニング講座

かりん先生のドックトレーニング講座

強化のスケジュールと行動を引き出す方法

◇強化のスケジュールと行動を引き出す方法◇
 
1、強化のスケジュール
 
私たちトレーナーはいつ犬に報酬を与えればいいのか?
科学に基づいた様々な強化スケジュールがあるが犬のトレーナーは主に2つの学習段階に合わせて2種類を使い分けている。
 
<2つの学習段階>
①行動の取得段階
②行動を流暢にしていく段階
 
<2つの強化スケジュール>
①連続強化スケジュール
②変動強化スケジュール
 
<連続強化スケジュールの特徴>
※犬が好ましい反応を返すたびに報酬を与えること
●行動の獲得段階で使うのがベスト(新しい行動の覚え始め)
●適切な時期に変動強化スケジュールへと変えなければおやつがないとしようとしなくなったり問題が生じてしまう。
 
レーニング開始当初は一回一回のご褒美が犬にトレーニングの目的を伝えるための「貴重な情報源」になり、それだけにご褒美を与えないと犬は混乱し、「自分に何が求められているのか」がわからなくなってしまう。
ある行動の定着を早めるには、その行動に対して「繰り返しご褒美を与える」のが一番の早道である。
 
<変動強化スケジュールの特徴>
※犬がとった行動に対して報酬をランダムに与える。
●ランダム報酬、連続強化スケジュール、部分強化とも呼ばれている。
●その行動が消去されにくくなる。
 
ある行動の生起頻度が上限に達すると毎回与えていたご褒美の頻度を減らしていくようにする。最初のうちは今まで通り、ほぼ毎回ご褒美を与え、その後2回に1回や3回に1回など「不規則に報酬を与え」犬がどのタイミングで報酬をもらえるかをわからないようにする。最終的にはごくたまにしかご褒美を与えない段階にまでもっていく。毎回ご褒美をもらっている犬にとって、ある日突然ご褒美を打ち切られるということはこれまでの常識を覆す一大事である。このようにいきなり強化がストップするとせっかく定着していた行動が消去されてしまう。しかし、たまにでもご褒美がもらえると消去はされにくい。
 
※非常に大きくて価値のある思いがけない報酬
犬にとても素晴らしい行動をとったことを伝えるために使う。
ジャックポットは犬のトレーニングへの「やる気」を飛躍的に伸ばすことが出来る。
ただ「使いすぎないように注意」する。
 
2、行動を引き出す方法
 
犬のトレーニングでは犬にじかに接することができるので、目的とする行動が自発するのをただ待つのではなく色々な「近道」を使ってこうした行動を誘発し、定着を図ることが出来る。ここでいう「近道」とは「誘導」することである。
直接体に触れる場合を除き、こうした行動は専門用語で「エリシテーション」と呼ばれている。ただし犬のトレーニングにおいては「エリシター(誘導因子)」という言葉はあまり使わず、「プロンプト」という言葉の方が一般的に使われている。
プロンプトとは「定着させたい反応」行為のことで、例えば犬に向かって手を叩いたり、かがんだりすることは「こっちにおいで」という合図になるために、呼び戻しのプロンプトとなる。
犬のトレーニングの場合、プロンプトは犬を誘導する手段としてとても役に立つ。
例えば、フードのほうに鼻先を向けることを犬に覚えさせるとフードはルアーとして機能する。フードを見せながら犬の頭を思い通りに動かせるようになれば実に様々な行動を誘発することができる。
 
<物理的に(直接触れて)促す>~犬を物理的に補助して望ましい姿勢をとらせる~
●特徴
・犬の静止に関係なく行うことができる
・体に触れられることが嫌いな犬は触れることに対して対処しようとし「学習スピードがかなり遅くなる」可能性がある。
・望ましい体制を作りづらい。
 
<ルアーを使う>~犬が興味を持つものを扱って犬を集中させ、犬を望ましい姿勢に導く~
●特徴
・力を使わずに誰でも簡単に出来る。
・犬がご褒美をもらうために「積極的にトレーニング」する。
・行動がある程度出来あがってからも使い続けると、犬はルアーを合図そのものと考えてしまう。
 
<行動を捕らえる>~犬が自発的にその行動を取るまで待ち、その行動に対して報酬を与える
●特徴
・犬の意識を集中させられる。
・犬がその行動を取るまで待たなければならない。
 
<行動の形成・シェーピング>~少しずつ望ましい行動に近づける方法を使って報酬を与える。
・複雑な行動を教える時に役立つ。
 
椅子の上に上がることへの適応
犬が椅子のほうを向いたらご褒美→犬が椅子の方向へ一歩歩いたらご褒美→椅子を臭ったらご褒美→椅子に顎をのせたらご褒美→椅子に手をかけたらご褒美→椅子に乗ったらご褒美
 
<行動の連鎖>行動を一つ一つの小さなパーツに分けて段階的に教え、全てを組み合わせる
●特徴
・難しいものも、一つずつすることによって簡単な動きとなり犬も理解しやすい。
 
おいでへの適応
・飼い主が犬から離れる間、犬はお座りをしている。
・犬は合図を待つ。
・合図で犬はトレーナーの元へ走る。
・犬はトレーナーの前でお座りをする。
・合図で犬はトレーナーの横の定位置に移動する。

オペラント条件付け

◇オペラント条件付け◇
 
学習と行動の原理に関心を持っていた研究者のエドワード・ゾーンダイクはすべての犬のトレーナーが覚えておくべき言葉を残した。
”ある反応のあとに満足できる状況が続いて起こればその反応は繰り返される傾向がある”
 
これはその後オペラントの条件付けとして知られるようになり、その後B・F・スキナー博士によってこの条件付けは4つの分類からなる学習法として広く世の中に知られるようになった。これは犬が自分の行動により状況を”操作(オペレート)”して変化させることが出来ることからオペラント条件付けと呼ばれている。
 
自分の行動によって結果を良くも悪くも出来るということを犬はよく理解している。オペラント条件付けが古典的条件付けと異なっている点は、何らかの結果を引き出すためにはその動物が必ず何らかの行動を起こさなければならないということだ。
つまり行動することで状況を操作し、結果が生み出されるのだ。
古典的条件付けでは2つの刺激を関連付けているが、オペラント条件付けの場合は行動とその結果を関連付けていく。
手に持ったりんごを離せば物理の法則に従ってまっすぐに地面に向かって落ちていくように、犬のあらゆる行動も100%、例外なく行動原理の法則に基づいている。以下の4つの原理をしっかりマスターし愛犬のコントロールをより確かなものにしていこう。
 
4つの行動原則とは犬だけでなく我々人間も含めてあらゆる動物のある行動が増えるか減るかを決める基本原則である。この4つの行動原則を理解できると、それだけで飛躍的に犬のトレーニングが上手くなり、楽しくなる。ただし言葉が非常に難しく、混乱を招きやすいのでまず整理しておく。
 
まず強化とは行動を増やすことである。
それに対し、罰とは行動を減らすことである。
 
次は正と負の関係だが、「正」は行動後に何かが現れること。「負」は行動の後に何かが消えること。
よくオペラントの条件付けを分かりにくくさせているのは、この「負」という概念ためである。
「正」は何かが現れることなので何もない状態から考えることが出来るが「負」の場合は何かが消えることなので、前提として消えるものが存在していなければならない。負の強化であれば前提として嫌いなものがあり、負の罰は前提として好きなものがある。
 
オペラントの条件付け~考えられる4つの行動の因果関係~
 
加える+良いこと
正の強化
行動の後に好きなものが現れるとその行動を増やす。
<良い強化の機能をしている例>
●お座りと言われた→座る→ご褒美をもらえた
<悪い強化の機能している例>
●お腹がすいた→吠えてみた→おやつをもらえた
 
取り去る+良いこと
負の罰
行動の後に好きなものが消えるとその直前の行動を減らす。
<良い罰の機能している例>
●遊びたい→飛びついてみた→おやつが消えた
<悪い罰の機能している例>
●おいでと言われた→遊びをやめて戻った→家に帰された
 
加える+嫌なこと
正の罰
行動の後に嫌いなものが現れるとその直前の行動を減らす。
<良い罰の機能をしている場合>
●お腹がすいた→ゴミ箱をあさってみた→ゴミ箱が倒れてきた
<悪い罰の機能している場合>
●おいでと言われた→戻った→叱られた
 
取り去る+嫌なこと
負の強化
行動の後に嫌いなものが消えるとその直前の行動を増やす。
<良い強化の機能している例>
●不安な状況の中→飼い主を見つめた→だっこしてくれた
<悪い強化の機能している例>
●捕まえられた→噛んだ→開放された
 
<トレーニング方法と学習原理>
いつも実習などでしているモチベーショントレーニングにおいては主に正の強化と負の罰を使っている。
これに対し強制訓練は正の罰と負の強化を多く使うものを指している。
正の罰も負の強化それもまた筋の通った理論なので、ある程度は犬をコントロールできるかもしれない。
ただし、そこには人と犬の関係を良くしようとする関係作りという大切なものがごっそりと抜け落ちている可能性がある。
特に負の強化というものは回避学習とも呼ばれており、嫌な状況を回避するために増える行動である。
怒られるのが嫌だからやる。ということである。

消去

 

◇消去◇
 
すべての行動は「行動の後で何かいいことがある」「行動の後で嫌なことが終わる」から何度も繰り返されるというのが強化の原理である。
つまり「行動の後」にこそ「行動の理由」、つまり「行動の原因」があるわけでそれを知るための方法がABC分析である。
 
一人ぼっちになると吠えるという犬の「吠え」を何とかする方法を考えよう。
正解は「無視する」である。では「何故無視をすれば治る」のか?
 
※無視をする
家を出る(入る)15分前後は構わない。無視をする。
 
まずABC分析してみると
A(原因)=一人ぼっちになる
B(行動)=吠える
C(結果)=飼い主が抱っこする
 
ABC分析を見ると「行動のあと」にある「飼い主に抱っこされる」が「吠える」という行動を強化していることがわかる。
つまり吠える原因は「飼い主が抱っこする」になる。といことはこの原因さえ取り除いてしまえば、問題は解決します。
言い換えれば「今よりひどくなることは絶対にない」ということである。
では原因を取り除いた後もABC分析してみよう。
 
「ひとりぼっちになると吠える」の原因を取り除いたあとのABC分析
A(原因)=一人ぼっちになる
B(行動)=吠える
C(結果)=無視する(一人ぼっち)
 
この原因を取り除いた後のABC分析を見てみよう。「Bの行動」の前と後が全く同じである。
行動の前後が全く同じ状態になるとこの行動は減るだろうか?増えるだろうか?
答えは「減る」である。言い換えれば「どれだけ吠えても無視だ」と学習する。こういった
「行動の前後に変化がなくその後行動が消失する」ことを「消去の原理」という。
 
消去の原理:行動の前後に変化がなく行動が消失すること
 
この消去の原理を使えば行動はなくなります。
そして専門家は「ABC分析」を行ったあと「消去の原理」を使えるかどうか?を考える。
つまり順番としては↓
 
専門家が問題を解決する順番
1、どんな行動をさせたいか考える。(目標の設定)
2、ABC分析を行う。(原因を見つける)
3、消去を行えるかどうかを考える(取り除ける原因か?)
 
そしてほとんどの問題は「強化の原理」「ABC分析」「消去の原理」で解決することが出来る。
つまり問題を解決sるのに必要な道具はこの3つ。あとはこれを応用していくだけである。
 
◇消去バースト◇
 
犬が飼い主に何かを要求した時は「無視」しよう!ということを習ってきた。
犬は結果で学習するので飼い主の反応がご褒美となっている場合無視することは1つの良い解決法である。
ところが無視することで「なくなるはず」の行動がより酷くなってしまうことがある。
これが消去バーストと呼ばれる現象である。それまで毎回得られていたご褒美が急に得られなくなると一時的に「これでもか!」と行動が爆発的に増える。そのまま無視をし続ければ行動はいずれ消えるが途中で我慢出来ずに返事をしてしまうと「これくらい呼ばないと伝わらないこともあるんだな」とより酷くなってしまうので注意が必要である。
 
◇自発的回復◇
条件刺激を与えたところ、いったん消去されたはずの条件反応がかなり回復して現れることがある。
これを自発的回復と呼ぶ。さらに条件刺激を与え続けるとやがて再び消去され、休止を挟むとまた若干の自発的回復がみられる。
この過程が繰り返されると自発的回復量は次第に減少し、ついには完全に消去されるに至る。自発的回復は一ヶ月後、一年後、十年後のように
突然起こることがある。そういった場合でも一貫した態度をとることで消去することができる。

古典的条件付け

◇古典的条件付け◇
 
■最初に
 
ロシアの生物学者パブロフの条件反射学説を基礎に条件刺激によって条件反応を形成するその訓練課程をいう。
パブロフは唾液分泌の無条件反射を利用して、条件刺激と条件反射の関係を研究したが、
心理学ではより広く生活体の行動としての反応を問題にするところから、条件反射とは言わずに条件反応という。
 
アメリカの心理学者で行動分析学創始者であるスキナーは生活体の反応を誘発する明確な刺激があってそれに応答する場合と、
そのような誘発刺激が必ずしも明確でないときにむしろ外界に働きかける形で自発する場合とに分け、
古典的条件付けは前者の明確な刺激への応答であるという意味で、これをレスポンデント(応答的)と呼び、
後者をオペラント(自発的・作動的)と呼んだ。
そこからオペラント条件付けに対して、この古典的条件付けをレスポンデント条件付けともいう。
 
生活体とは・・・有機的に構成された生命現象を示す物質系。人及び動植物の総称。有機体。
 
つまり、
条件反射の中で
刺激に対して応答的→レスポンデント条件付け=古典的条件付け
刺激に対して自発的→オペラント条件付け
ってことです。
 
■刺激と反応
 
古典的条件付けの手続きは一般には次のようになる。
まず、生活体にはいくつかの無条件刺激と無条件反応とのセットが何組か備わっている。
犬の場合で言えば肉片の匂い(無条件刺激)を嗅げば唾液が出る(無条件反応)というような例である。
そのセットにそれとは全く無関係なベルの音(条件刺激)を導入し無条件刺激を提示する直前にこの条件刺激を提示し、
次に条件刺激を提示するという試行を何回か反復する。これを強化試行という。強化試行ののち条件刺激だけを提示すると、
本来唾液分泌反応をもたらす力のないベルの音だけで犬は唾液を分泌する。この場合の犬の唾液分泌反応を条件反応という。
条件反応は行動の型としては無条件反応と同一であるがその強度において無条件反応より弱く、また無条件反応の場合には唾液分泌ばかりでなく
咀嚼反応や嚥下反応も伴われていることが多いのに対して条件反応はもっぱら唾液分泌反応だという違いがある。
 
つまり、
古典的条件付け→お肉の匂い⇒唾液
オペラント条件付け→ベル⇒肉⇒唾液⇒褒める(強化)
 
無条件刺激→お肉の匂い
無条件反応→いい匂いからのよだれ(咀嚼反応や嚥下反応も出る)
強化試行
条件刺激→ベルの音
条件反応→よだれ出ること(いい匂いより弱い)
ってことです。
 
■対連合
 
この例の場合条件反応は無条件反応と同じ型の反応であり、無条件反応の型はある生活体において限られているから古典的条件付けは新しい行動の形が形成されていくわけではないことになる。むしろある型の反応がそれに強く結びついている特定の刺激(無条件刺激)以外の刺激(条件刺激)によってもひきおこされるというところにこの型の条件付けの特徴がある。この場合、条件付けが成り立つのは無条件刺激に条件刺激が何らかの形で置き換えられるからである。
この犬の例では、何回かの強化試行によって両者の間に対連合がなりたったと考えられるが乳児が痛い注射を経験した時に注射をした医者の白衣が条件付けられて以後、白衣を見ると恐怖反応を示すというような場合では、強化試行は必ずしも必要ではなく一回だけの経験でも、その場の目立った特徴との対連合が成り立つようである。
 
つまり、
対連合→無条件刺激(お肉の匂い)が条件刺激(ベルの音)に置き換えられるようなこと。
たった一回でも目立った特徴があれば無条件刺激(注射の痛さ)は条件刺激(白衣)と置き換えられる。
ってことです。
 
■消去と自発的回復
 
これまで条件刺激と無条件刺激をどのような時間関係で提示するかに関する研究が多数あり、
それによればこのタイプの条件付けは条件刺激が無条件刺激に先行するかほぼ同時である場合に可能で(先行性条件付け)
その逆の場合には(逆行性条件付け)ほとんど条件付けは不可能であるという。
条件付けは条件刺激を無条件刺激と対にして提示する強化試行によって可能になるが、条件付けが成立したのち、強化試行を行わずに
条件刺激だけ提示すると条件反応は次第に弱くなり、最終的には条件反応は見られなくなる。これを消去という。
パブロフは条件反応が消去されたところで実験を打ち切り、翌日再び条件刺激を与えたところいったん消去されたはずの条件反応が
かなり回復して現れることを発見した。これを自発的回復と呼ぶ。さらに条件刺激を与え続けると、やがて再び消去され、
休止を挟むとまた若干の自発的回復がみられる。この過程が繰り返されると自発的回復力は次第に減少し、ついには完全に消去されるに至る。
 
つまり、
先行性条件付け→ベルの音をお肉出すとほぼ同時か先に鳴らす
逆行性条件付け→お肉を出してからベルを鳴らす⇒ほとんど条件付けされない
 
消去→ベルだけ鳴らし続けるとそれだけではよだれ出なくなってくる
自発的回復→休止をはさんでベルを鳴らすとよだれ出る
 
行動を完全に消去するには消去→休止→自発的回復→消去・・・を繰り返さなければならない。
問題行動も一緒ですよー!自発的回復しても諦めない!消去し続けましょう!そしたら完全に消去出来る日が来る!
 
■般化
 
パブロフはさらに条件刺激に類似した刺激に対しても条件反応が生じることを見い出し、これを般化(ジェネラリゼーション)と呼んだ。
この場合刺激の類似度が高いほど条件反応も強く現れることが知られている。例えば刺激に1000Hzの音叉(音刺激)を用いて条件付けを行った場合縦軸に条件反応の強さ、横軸に音叉の振動数を取れば1000Hzを中心に逆U字曲線が描かれる。これを般化曲線という。
医師の白衣に条件付けられた乳児が母親の白いブラウスを見て泣き顔になるのも般化による。
逆に類似刺激を弁別して条件刺激だけに反応するように生活体を訓練することも可能である。
パブロフはこの弁別実験の際にそれまで忠実に実験に協力してきた被験体の犬が落ち着きをなくして神経質になり、そのうち犬小屋から実験室に行きたがらなくなる事態に直面し、これを犬の実験神経症と呼んだ。つまり、音刺激の微妙な違いを聞き分けるという困難な弁別課題が被験体の犬にはストレスとなったわけである。
 
つまり、
般化→似ているベルの音にもよだれ出る。白衣じゃなくて白いブラウスでも赤ちゃん泣いちゃう。
般化曲線→ベルの音が似ていれば似ているほど反応強くなる。
弁別→同じベルの音だけによだれ出させる。
犬の実験神経症→微妙な音の違いなどを聞き分けさせられるとストレス。
ってことです。
 
■二次条件付け
通常の条件付けに用いられた条件刺激にそれとは異なる別の刺激を追提示するとこの新しい刺激によっても条件反応が生じる。これを第二次条件付けと呼ぶ。
ここでは先の条件刺激が無条件刺激のように機能し、新しい刺激が条件刺激として機能していることになる。こうして原理的には二次、三次と高次の条件付けが可能になる。そこから高次の精神機能を説明しようという試みも生まれたが、成功したとは言い難い。
 
つまり、
条件付けでベル⇒肉⇒よだれ
がしっかり強化されていたら
二次条件付けは
ベル鳴らして黒い箱見せる⇒よだれ
を強化して
黒い箱見せる⇒よだれ
という風に直接的なお肉を見なくてもよだれが出るシステム
ってことです。

生得的行動と習得的行動

生得的行動と習得的行動
 
犬の行動は学習しなくてもできる生得的行動と、学習することで出来る習得的行動に分類することが出来る
 
生得的行動とは・・・
 
生まれつき備わっている本能的行動。生まれてすぐ出る行動と成長する過程や大人になってから出てくる行動がある。
遺伝情報によって決まってくるので犬種や血統による違いがある。
 
例)食行動、性行動
 
例えば子犬や子猫が動くものを見ると反射的に追いかけてしまうのに対し、
ねずみやポニーにはそういった行動は見られないのは
現代でも獲物を調達しようとする行動(捕食行動)
が動物の本能に深く刻まれているからである。
 
人間は本来の捕食行動を無視して数々の犬を何百世代にも渡って選択繁殖してきた。
中にはこうした本能を抑制したり積極的になくそうとする試みもあった。
それでもほとんどの犬は動くものを目で追い、追跡し、噛み付くという性質を今も失っていない。
同時に何百世代にも渡る選択繁殖を経てもなお、犬は豊かな社会性と協調性を持ち続けている。
 
選択繁殖とは・・・
 
動物の持つ望ましい性質を維持し、望ましくない性質を遺伝的に排除すること。
個体の品質を改良することを目的として行われる計画的な繁殖のこと。
 
本能を消すことは困難である。例えば犬は臭いで様々な情報を収集する。
臭いを嗅ぐことは本能なので散歩の途中で電信柱の臭いを嗅ぐことをやめさせる躾はそう簡単ではない。
 
犬の生得的な習慣の一部は人間にとっては問題行動と受け取られる場合がある。
本能的な行動全てを辞めさせようとすることは犬にとってストレスになる。
犬の本能や個体の性格を理解することが大切である。
 
〈本能〉
○探して 移動して 触れて 乳を吸う
○排泄行動(巣の近くに排泄することを嫌がる)
服従行動
○食べ物をねだる(母犬の口を舐める)
○目を離さず 見つめて 忍び寄り 追いかけ 捕まえ 噛み付き 噛み砕き 振り回す
○防衛本能
○臭い付け(マーキング)
○支配行動(資源を守る)唸る→攻撃
○求愛行動
○繁殖行動
○育児行動
 
〈まとめ〉
●特定の時期に出現する
・予防できるものは予防する
・すぐ反応できるようにする
 
●特定の環境刺激に発現する
・刺激をコントロールすることで行動を抑制する
・トレーニングをすることで行動を抑制する
 
〈犬の行動はすべて下記の動機のいずれかに当てはまる〉
●食物獲得→言うことを聞いたら食べ物をあげるよ(現代のしつけ法)
●危険回避→言うことを聞かないと痛い目に合わすぞ(昔のしつけ法)
●繁殖行動
 
〈習得的行動〉
遺伝により決定されている本能的行動と異なり習得性の行動は生得的行動(本能的行動も含む)を元にして
経験によって身につけられるもののことを言う。
経験によって身につくものなので同じ動物種、同じ品種であっても経験が異なれば
習得性の行動は個体によって大きく違ってくる。
 
例1)
梅干を口に入れた時によだれが出る→生得的行動
梅干を見ただけてよだれが出る→習得的行動
例2)
牧羊犬は羊を眼で誘導し、追い立てることが出来るがチワワが羊を見ても何もしない。
 
〈犬種別に見られる代表的な生得的行動〉
●レトリバー
レトリバーは捕食習性の最後に見られる行動でもある“物を口に咥えて運ぶ動作”を簡単に行う。
●家畜を守る犬
群れを捕食動物から守る目的で繁殖された犬は毅然として自信を持つ傾向にあり、彼らは独立することが求められた。
●テリア種など
穴掘りはテリアを含めた多くの犬種に要求された行動。
ポインター、セッター
ポインター、セッターの場合、獲物が視覚に入ると、その方向を指し示す行動をとる。
●牧羊犬、牧畜犬
捕食行動の一部である追いかけ行動と噛み付き行動にすぐに夢中になる傾向がある。
●ハウンド系など
ハウンド系や他の犬種にとっては思い切り走ることが極めて重要な行動とされていた。
 
 
 
まぁ、つまりトレーニングをする上で犬の本能である生得的行動をしっかり理解して犬にストレスなく、
習得的行動を理解して効率よくトレーニングしていこうじゃないかということです。

お店を開くには

お店を開くには
 
 
お店を開くにはたくさんの準備が必要です。
 
 
 
今日はその一部であるお店を開いたときに作る料金表やカウンセリングカルテなどの具体的な項目についてふれていきたいと思います。
 
 
 
◆料金表◆
 
お店を開く時考えなければならないのは料金の設定です。お店を構える場所にもよりますが決めなければならないことを考えていきたいと思います。
 
今回はペットシッター事業の場合を想定して各項目を検討します。
 
 
ペットシッターとは食餌・給水トイレ掃除・散歩・犬の遊び相手などを中心に行う仕事です。
 
 
・初回登録料を取るのか取らないのか?
会員制にするのであれば、まずは会員登録を勧めなければなりません。
 
 
・ペットの種類による金額の設定
小型犬、中型件、大型犬の基本料金はいくらなのか?
 
一匹追加するにはいくらお金がかかるのか?
 
時間が延長された場合、何分ごとにいくらかかっていくのか?
 
 
・繁忙期は割増料金をとるのか?
年末年始やゴールデンウィークお盆の料金と普段の料金を同じにするのか否か。
 
 
・交通費はどうするのか?
お客さんに交通費は別で請求するのか?交通費込みにするのか?
 
 
・キャンセル料をいくらとるのか?
たとえば前日のキャンセルは見積もり金額の30%、当日ならば見積もり金額の50%などキャンセルをされた時のことも想定する。
 
 
・営業エリアはどこからどこまでにするのか?
何市、あるいは何区までなら営業範囲を広げることができるのか。
 
 
少なくともこれらのことは顧客に案内する時に記載した用紙を手渡すか、HPに記載しておくことが好ましい。